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2015年 東医体Touitai


2015年 東医体Touitai

予選リーグ
対 福島県立医科大学 0−2 ×
対 新潟大学医学部 0−2 ×
対 山梨大学医学部 0−2 ×
対 東京医科歯科大学  0−2 ×
結果 0勝4敗 予選リーグ敗退


  • 九仞の功一簣に欠く

 先の北医体において体調不良や怪我のため出場できなかった三國、中島がチームに加わり、一方で本大会の出場規定により保健学科の久保田、大島を欠いての新たな布陣で臨むこととなった。セッターを中島に戻し、ライトを富田とし東医体へ向けての準備を進めた。北医体開催時期が例年より相当遅い7月上旬であったため、東医体への準備期間はわずか1か月弱。この短い期間において「東医体予選突破」を目標に、急ピッチでチーム作りを進めていった。チーム方針としてもったいないミスを少しでも0に近づけていくために、基礎的なメニューに割く時間を多くして練習に励んだ。その分、ブロックやコンビなど実践的な練習をする機会が少なく不安要素も相当あったが、自分たちができることをしっかりとこなして勝利をもぎとろうとこの大会に挑んだ。

東医体
 初日の第1試合目の対戦相手は福島県立医科大学。先の北医体において偵察した際には確かな実力が伺えられた。相手チームのキャプテンかつセッターが軸となって多彩な攻撃を仕掛けてくる手ごわいチームであった。
 相手エースのジャンプサーブで始まった第1セット、富田がそのジャンプサーブを的確にセッター中島へ供給し、三國のクロスへ突くレフトスパイクにより、北医の目指していた理想的な形によって得点となった。幸先の良いスタートとなったものの、東医体という独特の雰囲気のせいか、な浮き足立ってしまい、普段ではあまり見られないジャッジミスやイージーサーブに対するカットミスがでてしまい、連続失点を許し3−1としてしまう。この悪い流れを切ったのは今大会復帰して表レフトでスタメンに入った三國であった。ネットから離れた二段トスを見事にストレートコースに打ち付け、ノータッチで得点。その後ローテが回りコートに立った大浦のブロックにより相手スパイクをシャットし得点。しかし、なかなか相手の流れを完全に切ることもできず、相手センターのAクイックやBクイック、レフトへの平行を多用した攻撃にブロックもレシーブもうまく機能せず相手に連続得点を許してしまう。しかし、さらにローテが回り、前衛に来た藤畑のスパイクやブロックの活躍でなんとか約4点ビハインドのまま試合は中盤へと向かう。中島の気合いの入ったフェイント処理より二段トスに持ち込み得点するなど理想的な形で得点する場面も多々あるものの、相手の強烈なスパイクでなかなか思うように進まない。富田のフライングレシーブやリベロ横井の強打レシーブなど好プレーで長いラリーにはなるものの、相手のコンビを使った攻撃を止めることが出来ず、結果的に連続失点によりどんどん点差が離されていってしまう。終盤はさらにこちらのダブルコンタクト、タッチネットなどの初歩的なミスが目立つ展開。最後も三國の好レシーブなどで長いラリーに持ち込むものの、つなぎのミスが出てしまい失点。結局、第1セットを17−25で落としてしまった。
 セット間で第1セットの反省からネットタッチやつなぎの初歩的なミスをなくしていこうと確認した後の第2セット。出だしから木山の相手スパイクを強烈にシャットするブロックが決まり順調な立ち上がりとなった。立て続けに富田の二段トスから三國の相手ブロックをうまくつかったスパイクが決まるなど連続得点なり好プレーが続く。1セット目では手がつけられなかった相手の攻撃も横井の懸命なレシーブで簡単には失点を許さない。大浦のAクイックやCクイックでの得点もありリードを保ったまま中盤戦へと進んで行く。しかし、13−10となったところでアクシデントが発生してしまう。これまで2つのブロックポイントなどで活躍していた木山がブロック時に負傷してしまったのである。急遽、タイムアウトを2つ使い、手当てを施すも続行不可と判断し二階堂を起用することに決めた。7分以上に及ぶ長いタイムアウトの後、なんとかリードしていた流れを保ちたいものの、こちらの動揺により簡単なミスが続いてしまい4連続失点で逆転されてしまう。これまでブロックを物ともしていなかった大浦のスパイクもブロックにかかり始め悪い流れがなかなか断ち切れない。中島のトスフェイントや富田のライトスパイク、さらには大浦のサービスエースで得点するものの、1セット目同様の簡単なつなぎでのミスが致命傷となり相手のリードをなかなか縮められないまま20−24で相手のマッチポイントとなってしまった。最後もタッチネットでのミスで失点してしまい、20−25で第2セットも落としてしまった。その結果セットカウント0−2で敗北してしまった。
 2日目、第2試合目の対戦相手は新潟大学医学部。北医体には参加していないチームであったためどのようなチームかは想像しにくかったが、福島医科大学からの情報では全員がスパイク力の高い、手ごわい相手であるとのことであった。難戦が予想されたが、この試合に勝たないと予選敗退が決定してしまう、絶対に負けられない試合であった。
 第1セット、出だしから相手のコンビを使った攻撃やサーブに翻弄され悪い立ち上がりとなるものの、三國のレフトスパイクや富田のサーブが走り一進一退の攻防が続く。しかし、5−5の場面から始まった相手の強烈なジャンプサーブがなかなか拾えずこちらの攻撃ができない展開が続く。苦しい展開のなか懸命なレシーブでラリーには持ち込むものの得点ができず6連続失点を許し5−11となったところでタイムアウト。流れを切りたいタイムアウト明けもサービスエースを許すものの、その次のラリーで幸運にも相手のミスにより問題のジャンプサーブが切れた。悪い流れの中、これまでジャンプサーブ以外では比較的安定していたサーブカットも乱れ始め連続失点が続く。大浦のBクイックや富田のライトスパイク、藤畑のブロックをうまく利用したスパイクで得点を得るが、乱れたサーブカットを立て直すことが出来ない。最後も結局サーブカットの乱れから失点し8−25で第1セットを落としてしまった。
 絶対に落とすことのできない第2セット。1セット目の反省からなんとかサーブカットを安定させ、エースは許すまいとこのセットに臨むことをセット間に確認した。1セット目に苦労したジャンプサーブからのスタートとなったが、富田がなんとかそのサーブを上げ、攻撃につなげる。しかし、他でのミスが目立ちなかなか相手をリードすることが出来ない。1セット目ではあまり本数のなかった相手センターの攻撃が増え始めさらに状況は悪くなる。藤畑のインナーコースに決まるレフトスパイクや中島のトスフェイントでなんとか得点するがこちらのミスがとにかく目立ちどんどん得点差を広げられてしまう。この展開では相手は思い切りの良いサーブを打つことができ、1セット目よりは比較的安定していたカットも強烈なサーブの前に屈し、またもやサーブで崩されてしまうという最悪の展開である。長いラリーに持ち込むことができたものでは富田のブロックポイントや三國のスパイクなどで得点する場面も少なからずともあったが、威力の増した相手サーブに崩されチャンスボールを返球し、相手のコンビを使った攻撃で失点する場面が過多であった。こちらのサーブカットのミスで10−24とマッチポイントを握られた場面でも、またもや自チームのミスで失点し第2セットも10−25で落としてしまい、セットカウント0−2で敗北し、東医体予選敗退が決定してしまった。
 自チームでのミスによる敗北は去年の秋からの課題であり、1年かけてそれを修正しようと精進してきたはずであったが、この大事な場面で結局自爆してしまう結果となった。メンタルの弱さ、技術力不足、その両方が露呈してしまった試合であったと反省される。

東医体
 同じく2日目、第3試合目の対戦相手は山梨大学医学部。対戦経験こそないものの、1日目の様子を見るにツーセッターのチームであり、かつそのセッター2人が前衛では攻撃のほとんどを賄っているようであった。この時点で予選突破の望みはなかったが、十分に準備し全力で勝利を目指すことをチーム全体で確認し試合に臨んだ。また、スタメンは第一試合の後半から引き続きセンターには木山ではなく二階堂を起用した。
 藤畑のサーブで始まった第1セット。いきなり相手コート左奥隅にノータッチで決まるサービスエースが飛び出し、順調な立ち上がりであった。試合前の予想通り相手の攻撃のほとんどは前衛セッターによるものであり、非常にパターンの決まりきった攻撃であった。そのためそのレフトスパイクに対しては3枚ブロックで対応していった。うまくワンタッチを取りラリーに持ち込み最後は二段トスからのスパイクで決めるという理想的な形での得点でリードする展開が続いた。しかし、6−5の場面から始まった相手のジャンプサーブに対しカットが乱されチャンスボールを返してしまい、強烈な攻撃を受け失点という悪い流れが続いてしまった。4連続失点を許し6−9となったところでタイムアウトをとりなんとか流れを変えようとするも、ラリーの中で決め手を欠いて思うように得点できない。相手のサーブミスにより問題のジャンプサーブは切れたが完全には自分たちの流れに戻すことができず、約2点リードを許したま試合半ばへとなっていく。しかし、そこで流れを変えてくれたのは、なんと隣コートで試合をしていた名前もわからない山形大学の選手であった。ラリー中相手のスパイクに対するブロックで完全に失点しかけてしまった所で、我々のコートにその山形大学の選手が突っ込んできて、レシーブを構えていた富田と衝突しそのラリーはノーカウント。仕切り直しのラリーでは、こちらの粘り強いつなぎで相手のミスを誘い得点となり、+2点を得したようなものだった。そこで流れが北医に傾き、富田のライトスパイク、大浦のAクイックなどで次々と得点を重ねる。横井のフライングレシーブなど好プレーなども相まって13−13で同点に追いつく。しかし、相手スパイクに対するレシーブ時にリベロ横井がこの場面で捻挫を受傷。控えていた三輪とリベロを交代することになった。その後の序盤苦労した相手のジャンプサーブのローテでまたもカットが乱されてしまい相手にリードを許してしまう。三國や藤畑のパワーのあるスパイクや富田の技ありのスパイクフェイントなどで得点するものの2〜3点の得点差をなかなか縮めることが出来ずに相手にマッチポイントを握られてしまう。最後はブロックアウトをうまくとられ失点し22−25で第1セットを落としてしまった。
 第1セットでは試合の流れが傾きかけたところで相手サーブによってそれを拒まれてしまうなど、新潟大学戦同様カットでの反省点が多く挙げられた。そのため、強烈なサーブに対してでもなんとかCパス以上を上げ、チャンスボールではなく攻撃で返球しようとセット間で確認した。第2セットも引き続きリベロに三輪を据えて挑んだ。苦労した相手サーブを富田が的確にカットし中島がきれいなトスを上げ三國が決め切るという上々の滑り出し。もちろん一筋縄ではいかないが、どのラリーも長いものとなり一進一退の攻防が続く。両者ともなかなか得点できず長いラリーとなる中でいらだちが積りミスが目立ち始める。大浦のブロックポイントや藤畑のスパイクなどで3連続得点をしたところで相手がタイムアウトをとる。この間にとにかくミスを少なくして拾い続けようと確認し、タイムアウト明けも三輪や富田による懸命なつなぎのプレーを見せる。藤畑の鋭いスパイクや富田のコースを突いたスパイクで確実に得点を重ねていき1〜2点のリードを保ったままこれまで課題であった中盤戦へと試合は進む。しかし、ここでこのセットでは安定していたカットが乱れ始めてしまう。これを機に逆転を許してしまい、長いラリーの末、得点することができないという苦しい展開が続いてしまう。さらには、これまでほとんど本数のなかった相手センターの攻撃に失点してしまうなど悪い雰囲気が立ち込める。威力を増してきた相手セッターでエースのスパイクにとどめを刺され、終盤以降はラリーに持ち込むこともできずに次々と失点を許してしまい、そのまま第2セットを18−25で落としてしまった。その結果セットカウント0−2で敗北した。
 試合経験の少なさからか、自分たちの流れがやってきたときにその流れを保つことができずに自爆してしまい勝利を逃してしまった形であった。リードしている場面において、自分たちのミスを限りなく0に近づけ、相手に少しも流れを譲るまいとする気迫が多少なりとも欠けてしまっていたのかもしれない。

 第3試合目の敗戦により、我チームにとっては最終日となることが確定してしまっている最終日の第4試合目の対戦相手は東京医科歯科大学であった。過去数年に対戦経験はないが、事前に部員のつてにより相手チームの試合動画を確認していて、まんべんなくどこからでも強烈なスパイクを打ってくると予想されていた。しかしながら大会初日、2日目の様子を見る限りでは、歯学部学生が不在のためか全く予想と反し、絶対的エース1人が表でも裏でも攻撃のほぼすべて任されている風であった。まるで2、3年前の自分たちのチームを見ているようであった。山梨大学戦同様、そのエースに対して3枚ブロックで応戦することを決めた。
 長めの円陣の後始まった第1セット。昨日までうまくいっていた出だしで3連続失点してしまうものの、作戦通り3枚ブロックがうまく機能し相手スパイクを拾い長めのラリーで粘りを見せ、最後は三國が二段トスを打ち切り得点する。さらには二階堂のサービスエースや大浦のAクイックなどが光り、ほぼ同点のまま試合が進んで行く。相手のブロックに綺麗な形でシャットポイントを許してしまい、流れを相手に渡してしまいかけるものの、中島のきれいなフェイント処理から富田の二段トス、そして藤畑のインナーへの強烈なスパイクなどといった形での得点でなんとか一進一退の攻防を続ける。中盤に入って、またもや昨日同様カットが乱れ始める。7−8の場面から4連続失点を許してしまうものの、三國のパワーあふれるスパイクでの得点が何度もあり、失点は最小限にとどめる。しかし、ここで相手のブロックポイントが立て続けに決まってしまう。ここをなんとかして凌ぎたいところであるが、乱れたカットがさらに悪くなる。一方で、相手のスパイクやレシーブは精度を増していき一方的な展開を許してしまう。このまま流れを取り戻すことができずに第1セットを落としてしまった。
 続く第2セット。セットはじめの相手エースのサーブに苦しめられるものの、なんとかラリーに持ち込みすぐにローテを回し1セット目で課題だった部分が改善され、良い形でセット序盤の攻防を進められた。さらにこれまで不調であった三國のサーブがここにきて走り、3連続得点により2点リードしたところで相手のタイムアウト。この流れを渡すまいとタイムアウト中に確認したものの、相手が一枚上手であった。タイムアウト明けすぐに相手セッターの技ありのトスフェイントで失点し、そのあとも連続失点をしてしまう。8−11でリードを許してしまったところで今度はこちらがタイムアウト。なんとしてでも流れを取り戻したい所であるが、サーブミスなど軽率なミスが目立ち、点差が縮まらないどころかどんどん点差を広げられてしまう。いい形でのラリーがほとんどできないまま9−18となってしまったところで2回目のタイムアウト。相手のサーブミスを誘いなんとか得点とし、そのあとの富田のサーブで相手を崩しチャンスボールを三輪が正確にコントロールし三國の強烈なスパイクで得点。大浦のBクイックやこの大会一番のブロックも決まり、得点となり5連続得点で17−20となった所で次は相手が2回目のタイムアウト。この時点でまだ3点差あるがこの流れを保てば十分に逆転でき、勝利も見えてくる。しかし、タイムアウト明けで意表を突いたセンター攻撃を使われ失点。ここからは、取っては取られ、手に汗握る展開となったが、中盤での連続失点が痛すぎた。これ以上の点差を縮められないまま20−24でマッチポイントを握られ、最後は相手スパイカーにパワーで押し切られ、20−25で第2セットを落としてしまった。セットカウント0−2で敗北した。

 結果的に全試合がストレート負けで終わってしまい、昨年の東医体と全く同じ結果であった。しかしながら、一年前のように終始一方的な展開で敗北するというつまらない試合にはならなかったのは成長なのかもしれない。さらには、各個人単位で見ればスパイク、レシーブ、ブロックの面では強豪チーム相手に通用する場面も少なからず見られた。一方で、セット序盤ではリードすることができるものの、中盤以降で課題であったサーブカットやつなぎ、タッチネットなどの初歩的な部分でのミスにより技術面かつメンタル面での弱さが露呈してしまい、結果的に勝利には届かなかった。まして「東医体予選突破」という目標には到底届かなかった。甘い部分が山ほどあり、この幹部最後の試合がこのような形になってしまったことには情けなさが拭いきれない。そんな中でも最後までコート内外問わず声を出し続け下を向かず戦けたことは、後に思い返した時に有意義なものであったと回顧されると期待したい。

なお、今大会をもって6年生の大浦、4年生の二階堂、富田、横井、そして2年半にわたりチームを支えてくれたマネージャーの藤澤が引退することになった。本当にお疲れ様でした。

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